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ランタンのレストア2

今回は、前回の「チャラリ~、鼻から牛~乳~」の原因となりました・・・マニアックな「錆取り」の話しからです。恐縮です。

小生の場合、通常ランタンのタンクの錆び取りには、リン酸塩系の錆び取り剤を使用するのですが、(商品名は「花咲かG」・・オートバイのガソリンタンク用)これを使いますと錆び取り後にリン酸塩の皮膜ができ、数ヶ月の防錆効果もあるそうですので、かなり便利な錆び取り剤です。

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この錆取り剤のことはインターネットのランタンのサイトで知りました。変な名前だなと思いつつ東急ハンズさんに探しに行きました。ラベルも「花咲かG」で大笑いでした。これはランタンに関係の無い錆びた物に・・色々日曜大工に使えそうですので、ご参考に・・っていらないですね!こんな情報・・・。

まずタンクの中を、台所からこっそり運び出した食器用洗剤で洗って、油分や汚れを取り除きます。そして、錆取り剤を指定の濃さ20倍に水で薄めたものをタンクに投入します。

この錆び取り剤は遅効性・・と言うのでしょうか、早くても数時間、錆のひどいときは数日くらいの時間をかけて錆を取るタイプです。錆が液に溶けるんです・・・これ。

タンクの中の液を排出しますと、デロデロが一気に出てきて中が綺麗に鉄の銀色になります。(この出てきた液はろ紙で漉してまた使えますが・・)50年間の錆を取るのですから、時間がかかっても当たり前かもしれません。

ヒドイ錆びの時や、処理を急ぐ時などはトイレの掃除でおなじみのサンポールなどの希塩酸・・・酸を使う事もあります。酸で錆を溶かすと、効果は絶大ですし、反応も速く15分くらいでピカピカですが、この後は、すぐに水でよく濯ぎ、(おそらく)アルカリ系の薬剤などで中和?防錆処理をしないとすぐにまた茶色い錆だらけになってしまいます。酸ですから・・・。(最近では錆の再発が心配で、酸はあまり使っていませんが・・・。)

やはりサンポールのような酸は、タンクのように閉鎖された手の入らない物にでなく、表面の錆取り・・・例えばゴルフのクラブ・・・サンドウエッジの表面の錆取りなどのほうが、向いています。外部に使用した場合、錆取り後に表面をいじれますから、防錆の処理などが楽です。

錆取り後の状況によって異なりますが、タンク内部の元からの錆止め塗装の剥がれがひどい場合などは、念のため、さらに丁寧な防錆をします。ウレタン塗料をシンナーで薄く薄めたものを、タンクの中に入れてチャポチャポ振って内部を塗装し、少しでも錆の再発を抑えるようにするのです。

また、すぐには使う見込みの無いタンクの場合は、手間のかかる塗装よりも手を抜いて、防錆用のシリコン・スプレー(CRC556など)をたっぷり吹き付けて、保管しておきます。うーん錆取りだけでもかなりマニアックでしょうか・・。

さて、この後の工程が小生の好きな作業・・・タンクの外側の塗装です。タンクの外側が錆で傷んでいて、元からの塗装をそのまま使えないボロボロな状態の時は、元の塗装を紙やすりで削り、金属の面が露出するようにじっくり綺麗にします。塗料をはがしたタンクは銀色でピカピカです。

この作業はかなり根気がいるんですが、2時間くらい紙やすりでタンクをゴシゴシです。
道具は布ヤスリの100番や紙ヤスリ240番だけです。
全くクラフトって感じですか・・。塗装を完全に剥がすのが重要です。

塗装での大きな問題は、ガソリンタンクですから、給油の時など外側にもガソリンがこぼれて付着してしまう事です。
つまり、ガソリンで溶ける塗装では大問題なのです。
しかし、素人が考える通常のラッカーなどの塗料は、ガソリンであっという間に溶けてしまうのです。

簡単に溶けていたら、また「トッカータとフーガ」・・・鼻から牛~乳~!・・・ですから・・・。

この件を東急ハンズさんで相談しましたら、ウレタン塗装ならガソリンで溶けないですよ!!と教えられました。
ウレタン塗装・・・かつて聞いたことはありました。
本職は「ウレタンを吹く」・・と言う言い方をしていましたっけ。プロの塗装ですね本来・・。

「ウレタン塗装」というのは、ウレタンエナメル塗料の塗装で、2液性の塗料を使っています。
硬化剤を入れて混ぜてから塗る塗装・・・。

代表的な用途では、自動車のボディーの塗装や高級家具に使う高級塗料だそうです。
塗料に硬化剤を入れ、シンナーで適宜薄め、良くかき混ぜ、エアコンプレッサーとスプレーガン・・・塗装屋さんのプロが使うような道具・・・を使って塗装します。

通常のラッカー塗料の様に乾燥するという感じの塗料ではなく、硬化する、「固まる」という感じの塗料です。
硬化剤を入れてかき混ぜた後、この塗料を放置すると8時間後くらいには、かなり固まるのです。素人には難しい感じですね。
しかし良いものがありました。設備が無くてもウレタン塗装ができるスプレーが・・。

スプレー缶型で内部が2重になっており、ノズルを石などにぶつけることで、内側の容器を割ると中の硬化剤と塗料が混ぜられて使える物が販売されていました。
イサム塗料の「エアーウレタン」と言うスプレー塗料商品でした。

スプレー塗料なのに大変高価(確か1本2000円くらい)で、しかも一度混ぜると固まってしまいますので、使い切らなければ無駄になるのです。

1本でランタンのタンク3個分くらいを塗れますので、レストアするタンクを貯めておいて一気に塗装する・・・と言う感じになりました。

面倒な塗料ですが、使用してみますと効果は絶大で、艶、塗料の乗り、強さ、申し分ありませんでした。ガソリンにも溶けていないようでしたし・・。

実際、素人がウレタン塗装しようと言うのが、そもそもチャレンジなんですが・・・。なんとかできました。

塗装して乾燥・硬化後にコンパウンドと言う自動車用の磨き剤を付けたボロ布などで根気良く時間をかけて磨きますと、塗料の霧の細かい粒がならされて、本当にツヤツヤになります。
このツヤツヤは本当に美しくて・・凄いです。

高級な塗料ですから当然かもしれませんが・・・。良い塗装でした。

しかし、ここで大きな問題にぶち当たります。スプレーの色「赤」が一種類しかないのでランタンの上部にある傘(ベンチレーターと言います)とタンクの色が合わない場合があるのです・・・。

ここまできて結局、調色・・・色あわせ・・・が課題になってきました。
一難去ってまた一難です。

プロ用のウレタン塗料の小分け販売をネットで発見してしまってから、これなら茶色っぽい赤でも、小豆色っぽい赤でも、何でも色あわせができると思いました。
で、・・・・とうとう道具一式を買い揃える羽目になります。
こんな事態の方がよっぽど「鼻から牛~乳~」なんですが、ものづくりって、課題を解決できると思うと一直線になってしまいがちで困ったものです・・・。

つづく   ・・・って期待されていないですよねー。

08-31-05 15:55 | 先頭へ↑

ランタンのレストア

趣味の話です。前回の好きな物に引き続き、キャンプ用のランタン(夜、テントの周りを明るく照らす、光る奴です)のレストアの話を少々・・・。

(レストアは・・再生ですが、言い換えたら一生懸命な『メンテナンス』・・ともいえると思いますが・・・・。)

実はこのレストア、最近小生が嵌っている趣味であります。古いランタンのレストア(restore:復元・修復)が趣味なんです。

キャンプで夜の明かりと言いますとランタンです。ランタンには、ホワイトガソリン、灯油、ガス、電池等の種類があります。

それぞれ特徴があるのですが、ホワイトガソリンはシンナーのような物で引火性が高いので、取り扱いには注意しないと危険でもあり、ある意味で不便ですが、点ければ明るいです。白熱電灯で150W以上・・と言うような明るさが出ます。

灯油燃料のランタンは燃料が安価で、引火性が低く安全ですが、点火の前に燃料が通るパイプの予熱が必要で、手間がかかる・・などの特性があります。明るさはガソリンと同等以上でしょうか。

ガス(カートリッジ式)は取り扱いが簡単で、点火もワンタッチですが、一般に光量はやや落ちます。ガスボンベ式は点灯して暫くすると、ボンベが気化熱を奪われ、冷えてしまい、気化効率が落ち、暗くなるのが普通です。寒い時はガスボンベが冷えてしまうので、なおさら効率が落ち、性能・明るさが低下します。(対策の冬用のボンベなどありますが・・)

電池式は燃えたら困る物の側で使う・・・例えばテント内や歩行時の明かり用で使います。

で、小生が嵌っていますのは、アメリカ製の古いランタンでコールマン社の200Aと言う機種があるのですが、その古いホワイトガソリン・ランタンの整備・レストアなのです。(この後ホワイトガソリンはガソリンと省略して書きます・・)

写真をご覧下さい。

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右の写真のグリーンのランタン2個はコールマン社(カナダ)の1970年代のもの・・・。
左の写真の赤いランタンは「赤ランタン」の愛称でファンの多いアメリカのコールマン社製の200Aと言う型番です。1950年代の初めくらいから製造されており、タンクの底に製造年の刻印などもあり、確認もできるものです。一番左が50年くらい前のもので、写真中央が68年製。ちなみに右は小生オリジナルの改造品・・・・。
キャンプを始めたのは1990年の頃ですが、当時から「赤ランタン」と呼ばれる「名品」があることは知ってはいました。しかし、その頃の時点で、既に数年前(1980年くらい)には廃盤になっていた商品なので、「手には入らない物」と諦めていました。

それが2年ほど前、あるオークションサイトで比較的簡単に入手できると知って、気になり始めました。

50年位前のものを一つ買って見ると、本当に可愛いデザインのランタンで、明るさも程良く、気に入りました。しかし、メカ物を買うとメンテをしたくなる小生は、やはりまっとうなコレクターにはなれ??ませんでした。

この手のオールドランタンの趣味は収集の趣味(コレクター)がやはりメインと言いますか普通の王道のようです。傷や古さを「味」と称して尊ぶと言いますか・・・。小生もちろん、その手の古い物の収集は理解していますが、ことランタンに関しては、

1: アウトドアで使う物
2: ガソリンが危険を伴うこと
を考え、趣味の方向を2つに分けました。

当時のオリジナルを美しく留めるような状態の良い(ミント・コレクション等と言うそうです)ランタンは点火ができるような基本的なメンテだけをしてコレクション用にし・・。

程度の悪い物(塗装のはげ、錆び、オリジナルでない部品の使用など)は完全にいじって、レストアして、アウトドアで使い倒す!

こんな考え方で、ランタンに接するのですが、いざランタンを点検し始めると、さすがに50年近く経ったものは問題が多く、コレクションにするものでも、点火可能にするとなるとかなりの手入れ・メンテナンスが必要でした。

この手間・・・実はこれが「良い」のですが・・・。

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レストアでは、あるサイトが本当に勉強になりました。オールド・コールマンの販売をされている方のサイトに掲示板があり、その掲示板の過去の履歴がメンテナンスの知恵の宝庫でした。

情報は探せばあるものですし、教えてくださる方もいるものですね・・・。本当に感謝しています。

ランタンの分解をしてタンクの中に豆電球を入れて点灯・確認した時、内部のひどさに驚いたのが、レストア趣味のキッカケ??でした。

やっとオークションで落札し、来た来たと喜こびつつ、タンクの内部を覗いて「愕然」「呆然」と言う感じです。頭の中にあの曲、『トッカータとフーガ』が鳴り響きました。メロディー、ご存知でしょうか?「チャラリ~、鼻から牛~乳~」のあれです。

錆と汚れが本当に凄いのです。ドロドロ、デロデロとでも言うのでしょうか、茶色、黒、青の錆と汚れがガソリンタンクの中全体にびっしりと、カビかコケでも生えているように付いているのです。

外側に錆が無く一見綺麗なランタンでも中はひどい錆だったり・・・その逆もありましたが・・・。

情報に従い、錆び取り液などを駆使して錆を溶かして洗浄しますと本当に綺麗な銀色の鉄の色にはなるのですが、やったと思った瞬間、また『トッカータとフーガ』が鳴り響く事もあります。

運が悪い時は、錆を取ったために、今まで錆で埋まっていた穴が開くのです(ピンホールと言う小さな穴です)。そして、あってはならないガソリン漏れが始まるのです。

錆び取りをしないわけにもいかず、取ればピンホールができてしまうリスクがあります。ピンホールは溶接技術の無い小生では塞げないので、これが確認できた時点でそのガソリンタンクのレストアは終了・諦めです。(実際はこう言うタンクのランタンは電気のランタン・スタンドに流用したりして活用します。タンクに穴を開け電気のコードを通し、電球のインテリア照明として流用するのです)

ピンホールでガソリンが漏れた時は、本当にガッカリします。その刹那、「失意のズンドコ・・もとい・・どん底」・・・大げさですね・・・。

つづく・・・。

08-25-05 13:11 | 先頭へ↑

Asian Strange Fruit

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以前、人から聞いて、そう言うものの見方をするのか?と衝撃(大袈裟ですが)を受けたことがあります。

『日本は今や二流の国で、世界から相手にされていないんだよ・・』と言う話でした。

話は成田に着いた海外からの来客の話で始まりました。確かイタリアから来たお客さんを迎えた時の話だよと・・・説明してもらったのです。

まず成田に着いたら、成田がとても遠いので驚かれた・・・。社用の車でお迎えし、高速で東京に向かっている時に素朴な疑問を言われた・・・。『あなたは税金を払っていないのか?』『高速道路を通るだけで、何でそんなに高額なお金を払うのか?』といわれたそうです。

彼らの常識では高速道路は無料・・・一部新規開通区間などが有料の時もあるが、安価な負担だし、数年で無料になる。あなたがこんなに高速道路に払うのは、税金を未納で問題があるからではないのか?なんて・・・。

『常識』の違い・・・とはそう言うものかと思いました。税金をきちんと払っている国民が道路を使うのは、タダが当たり前・・・。これが世界の常識なんだな・・・と。

その海外からのお客さんは、色んなことに驚いて帰って行かれたそうです。

電話料金が高い。
航空券が高い。
食品に消費税が掛かるのか?などだったと思います(多少うろ覚えですが・・・)

いずれにしましても、日本が世界のスタンダードから、かけ離れている事は結構多いのだそうです。真偽は確かめておりませんが、イタリアでは一般の食品(日本で言う米・味噌・醤油)には税金が掛からないそうです。食品では例外的に非常に贅沢な品目2つ・・くらいだけ税金が掛かるのだとか・・・。どこか産のメロンと、何かもう一種だけに。

しかし、この2品目でさえ、税を掛ける掛けないでもめて、国中が論争になったとか・・・。一方で、フェラーリは税金が高くて2倍の価格になると言う話もありました。イタリア人は国内ではフェラーリを買わないとか・・・これは随分前に聞いた話ですから、EUとなった現在でも他国でフェラーリを買っているかどうかは分かりませんが・・・。

日本人はおとなしいね・・・。そのイタリア人が言ったそうです。「イタリアなら日常の食品に税金が掛かったらその政権は、間違いなく持たない・・・」

文化の差と言いますか。知らなかった。と言いますか・・。

海外の法人で日本に極東の本拠を持とうとする会社は殆ど無い。オフィスを買っても借りても、電気を使っても、物を輸送しても、通信しても日本はハイコストだからだそうです。

日本をうっすらと軽蔑?しているのでしょうか・・・。世界では非常識でも、それを日本の常識にしている国ですから、「何かこの人たちは変だ・・・」と言う視点で見られているのでは・・・と言う主旨の話でした。日本は「Asian Strange Fruit」(アジアの奇妙な果実)とでも言うのだろうな・・と言う事でした。

これは小生、ショックでありました。日本は良い国だと思っていますから・・。

日本人とはビジネスで組む事は無いが「良いお客さん」なのだそうです。

そう言われてみれば、日本にヴィトンもシャネルも直営店があった?!・・・。

マーケットだけが魅力的な、とても一緒にはビジネスをしたくない国・・・日本。アジアの拠点を置くことは無い国・・・日本。悲しい話です。

このことから小生は、「日本が世界のスタンダードと違う事をやっている場合、そこには、何か日本独特の冗費が掛かる?構造的な問題があったりするんだろうな」と考えるようになりました。

こう言う着眼で考え始めますと、いろいろ「日本」については思い当たる事が出てきます。・・・道路建設が・・年金の保養施設の無駄遣いが・・・などなど。きりが無いほど「気が付く」と言いますか・・。

一度、識者の方に日本と諸外国との違いを一覧表にしてみて欲しいくらいですね。

それからもう一つ考えましたのは、ヨーロッパとは民主主義の本質と年季、深さが違うんだな・・と言う事です。

血を流して封建制を倒し、革命を経て、民主国家を勝ち取った国民性と、日本のように戦後、他国から与えられた制度で民主主義なのは国民意識に大きい違い、差があるのだなとも思いました。

ヨーロッパでは市民の方に筋金が入っている。普通の批判眼が社会に根付いているとでも言うのでしょうか・・・。大人の文化と言いますか、歴史・文化の大きな差と思うようになりました。

日本では、学生がそう言う視点でものを見るチャンスが与えられているでしょうか・・・。

そういう教育などの様々な日本の問題点が、『ビジネスで相手にされない国』として、ツケが回るように跳ね返ってきているのではないでしょうか?

非常に寂しい話になってきてしまいましたが、納得性、正当性が低い事を国中でやっていると、井戸の中のカエルの国・・になってしまうのだろうなあと思います。

高度成長の頃、必要とされたビジネスマンの資質は『協調性』だったと思います。

そう言う当時の日本ではそれが良かった・・・長いものに巻かれて・・・等の論理で走ってきた事は、その時代を反映していたのだと思います。

しかし、やはり『1+1=2』と言うような当たり前のことを当たり前の答えで確認できない国は、世界ではダメなんでしょうね。

特定の人々が『1+1=3』と言い、そうだねとなっているような国はいかんのでしょうね。そこでしか通用しない論理はたぶん相当危険なんだと思うのです。

戦後60年を記念して色々な番組が戦争を取り上げていますが、私たち市民が意外に真実を知らされていないのでは・・と思います。

マニラの大虐殺
米兵の捕虜に死の行進をさせた・・・
南京大虐殺
真珠湾攻撃(奇襲)

全部知った上で、日本が戦争犯罪を犯した国・・・に異論を唱える人は少ないのではないでしょうか?アジアの国から日本は謝らないと言われていることに、違和感があるのですが、相手国から見たら謝らない・・・のでしょうね。

その辺りの構造もわからないです。侵略をした・・戦争で残虐な行為をした・・・こう聞けば素直に申し訳ない気持ちですから・・・。

ただ、歴史認識までが外交のカードに使われるような残念な様は、情けないものです。

謝罪は謝罪。
反論は反論。

普通にできない日本に、すっきりしなくて、違和感があるのは小生だけでしょうか?

Asian Strange Fruit なのでしょうか。

日本・・・もうちょっと頑張れませんですかねー。

08-17-05 09:53 | 先頭へ↑

夢と差分

開発に始めて従事した頃、『開発を進めるにはある程度「思い込み」とか「信念」とかいうような強い気持ちが必要だ』と先輩から教えられました。これは、コンテンツの開発でも、新規事業の開発でも同じだと思います。

企画段階で調査をしたりして企画を練り込んで行っても、「きっとこうだ」と信じられるレベルに仕上げて行くのは、なかなか難しい事だろうと思っています。

また、考えが出来上がっても、それを信じて、ブレずに実務を進行する事は、同様に難しいのかも知れません。

「強い気持ち」や「夢」を作るのも難しいですが、それを維持して活動する事も本当に難しい。しかし、このことが小生にとっては、開発をうまく運ぶポイントだったと思います。・・・難しくともぜひ必要だと・・・。

小生も若い頃、企画開発の途中で、なぜか懐疑的になってしまったり、どうもやる気が減退?してしまったり、なにかスッキリと思い込めない時がありました。「乗らない」とでも言うのでしょうか・・・。仲間の開発担当が不安に負けているような姿?もいっぱい見てきました。

この、やる気ダウンの原因は自分なりにも良くは分析できていませんが、小生も含めて、リスクがあって、難しい新規企画を進めるに際しては、損をしないか?とか、在庫の山に?・・・とか、様々なプレッシャーや大きな不安にぶつかるからだ!?・・・とも思います。しかし、結局は良い目標感を持てていなかったから?なのではないかと思います。

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こう言う不安を乗り越えるためには、一種の自己暗示のような思い込みとでも言うのでしょうか?自分を元気付けていくような、そう言う行動?活動?が開発マンには必要だと思っています。

自分をうまく「ドライブする」とでも言うのでしょうか・・・。

現実には、課題解決を休まず考えて、これも潰せた、この問題も大丈夫だと、不安要素をつぶして行って、どんどんアイデアを練り込み、追加し、良いイメージを膨らませ、実現できそうなイメージに育てて行くような作業をするのだと思います。

例えば以下のようにどんどんイメージを良くしていく作業でしょうか。

  1. 始めの思いつき・・お客様の心理には合致している。
  2. アイデアが膨らんで、ますます、お客様にとって便利とか楽しいとか・・・魅力が出てくる感じ。
  3. さらにアイデアが追加されて、お客様の「欲しい」と言う声が確信できる・・。
  4. 競合を調べても、差異が際立っている・・。
  5. 作り方などの製品化への課題が解決でき、具現化できる。
  6. コスト面など、最大リスクの把握やコントロールができる
  7. 売り方や広告まで含めた全体戦略がまとまり勝算が立つ。

どうやるかと言われましたら、このような正攻法を踏んでいくと言う答えになるとは思うのですが、実際は開発マンそれぞれに微妙に異なるのかもしれません。

小生の場合、結局、自分の力になるのは『お客様の喜ぶ顔』のイメージだったり、『買った方が使っている様』を思い浮かべたり、『販売店でのお客様に受けている反応』のイメージだったり、いずれにしても『ビジュアル的なイメージ』が自分を勇気付けてくれるような気がしております。

何を夢にすると自分が頑張れるのか・・・。開発マン自身、それぞれに自分にあった「踏ん張れるイメージ」の作り方を探す必要があるのかもしれませんね。

小生は、こう言う一連の思考をする力を勝手に『イメージングパワー』だよね!とか呼んでおります・・・。

勝手な命名でお恥ずかしい限りですが、開発においては頑張る・頑張れる、良いイメージをどんどん作って固めて行く作業が、自分のためにも、チームのためにもどうしても必要だと思ったので、こんな言い方をしておりました・・・。

『イメージングパワー』・・・。

この感覚は少々『夢を見る』感じに近いとも思います。小生の場合は上手く行った後の映像?をイメージしていますがいかがでしょうか・・・。

さて、そして、次の段階でそこに至るまでの過程をイメージします。

最終の上手く行っている姿を考えて、そうなるために今後やるべき事をリストにして、それをスケジュールにしてみる感じでしょうか。

そして、例えば・・・。本当はこの時期・段階で、こうであるべきだけど、まだ今はこ
れとこれ・・ができていない。と言うように本来のその時点での望ましい姿との差分、「差」を考えて、やれていない事をコツコツやって行くのです。

デザインだったり、流通への事前ヒアリングだったり、営業だったり、上手く行くために最善の流れを書いて、その現実との差を自覚してみると・・・やっていない事の大きさに愕然としたりしました。

全体を描けると少々安心できますし、精神衛生にも良いですし、計画的な仕事になるようにも感じます。

夢と現実の差分を埋めること・・・これは「開発」の・・・と言うより、大げさですが全ての「仕事」の本質かもしれませんですね。

小生の場合、夢を数字にだけ置き換えると頑張れませんでした。○×億円・・・。これはプレッシャーでしたが、「夢」にはなり得ませんでした。

だから、読み替えていました。結果的に会社の目標である○×億円になるような、「ビジュアルな夢」・「状況」に、置き換えていたのです。
こう言う状況なら、きっとこの数字は行く・・・と。
まだ○○万台と言う目標の方が、イメージしやすくて良かったのですが、それでもそのまま「夢」とするにはやや厳しく、やはりお客さんの笑顔や、こう使って下さっている・・・と言ったイメージの方が、企画段階では宜しかったように思います。

開発進行中は、上手く行った場合、想定顧客の何%くらいが良いと思ってくれそうか?その方々のうち何%くらいが実際に行動を起こして利用してくれそうか?などと積み上げていました。

なかなか数字は読めませんでした。

特にエンタテインメントの場合、必需要素は無いので面白いかどうか?が勝負ですから、読みはなかなか当たりません。

しかし、最低はこの程度・・・と当たりはつけていました。

今回は『当たり前だろ!!』というような話で申し訳ありませんですが、自分が頑張れるためのキーワード・・・「イメージングパワー」のつたないお話でした。

08-09-05 10:39 | 先頭へ↑

固定観念・業界常識

開発は素直な企画に勝る物なし・・・などと思ったりします。浅薄な経験の中ですが、昔、玩具の開発に従事していた頃、そうか、企画はユーザーさんの視点に対して素直にやらないと・・・と感じた事があり、大きく反省した事があるのです。成功のようでいて、実は本当は「失敗」の思い出です。

当時、小生が所属していた開発セクションは事業部の開発部門ではなく、開発本部(売上計画の無い)の開発部門でした。そこでは、お客さんとのディスカッションの中から開発のヒントを掴みそれを商品化するといった考え方を実践しており、学生のアルバイトで組織も構成しておりました。

小生はマーケティング的な発想で開発をするチーム・・・を担当しており、このヒアリング対象の学生アルバイト組織の運営も担当していました。

この活動はシンプルで、時給を払って大学生に週に一回、平日の夕方に会社の会議室に集まってもらい、色々話を聞いて開発のヒントにしたり、企画中のアイデアを評価してもらったりしていたのです。お茶菓子などを出して、楽しく語ってもらっていました・・・。

その頃、大人、特に学生向けの玩具と言うテーマがあり、仮説を立てては色々聞いていました。

暫くして、彼らの意見から、どうやら会話の演出グッズ的なものが欲しい・・・それなら買っても良い・・・というニュアンスを掴みました。当時の流行語などを抽出したり、根気良く、少しずつ商品像に迫りました。

今考えますと「えー?」なんですが、当時の彼らの会話は擬音に満ちていました。・・・たしかその辺のジェネレーションギャップ・・・言葉のジェネレーションギャップ・・・が企画の着眼、端緒だったように思います・・・。

『バギューン』
『ドッカーン』
『ブー』
『ダダダダ』

まるで、彼らの会話は漫画の擬音の表現付き・・・。当時30歳くらいだった某?開発マンは結構面食らって、ついて行けないくらいの会話でした。

この話から、『擬音を商品に!!』と言うようなコンセプトが出てきました。

玩具屋の企画的には「新しいチャレンジ」に思えました。音を商品にする・・・。日常の会話の演出音・・・の商品化。

「面白いかも」・・・と思いました。大学生曰く、「小さめの、ただの黒い箱みたいな物で、ボタンが沢山あって色んな使える音がすれば良い」

チームは素直に、黒くて手のひらに軽く入るサイズで、角が丸い箱の様で、スピーカーの音を出す細かい穴があり、小さなボタンが10個くらい並んだ物を絵にしました。

「擬音が売れる時代です」
「彼らが欲しています」
「衝動買いですので、1980円以内です」
「音はピンポーンやブーやダダダダッ」
「音はお金(売り上げ)に変わります」

しかし、一方で玩具業界の常識にも縛られていました。

『そんな物が商品になるわけが無いだろう。』
『玩具と言うのは音と光と動きだ!』
『音だけを売る黒い箱なんて玩具じゃない!!』

この黒い小さな箱は社内的なコンセンサスが取れませんでした。

チームは色々頑張って商品にしようと試みましたが、自分たちも本当の自信がなかったのだと思います。結果的に、外形を腕型(袖から先)にし、その手首に動きを付け、音は「ピンポーン」と「ブー」の二つの(クイズ番組ノリの)音に絞り・・・商品化しました。
それなりに売れて、償却もし、利益も貢献しましたが、これがちょっと苦い思い出になりました。

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ピンポンハンド

この商品の発売から半年以上後でしたでしょうか?「黒い箱で色々な音のするもの」が他社から(香港製品だったと思います)発売されたのです。

アイデアを思いついたら、世の中に最低3人くらいは同じ事を考えている人がいる・・・とは言いますが、まさにショックな商品で、もともとのコンセプトを形にしたもの「ズバリ」でした。

やられた!と思いましたが、既に遅し・・・です。累計販売数は、当方が確か20万個。黒い音の箱は200万個?とも言われる販売でした。(形を変えて、だんだん小型化され、最後は小さなキーホルダーにまでなりました)

敗北感いっぱいでした。

これは自分の教訓になりました。

今考えれば、「音と光と動き」を「おもちゃ」に求めるのは子供であって、このアイテムではターゲットが普段商売した事の無い大人・大学生だったのですから、なおの事、自分たちの観念、常識、ノウハウが通用しない相手だったのだと思います

自分たちの専門で、得意な分野だからこそ、知らぬ間に『こう言うものだ』という押し付けをしてしまうんですね。

この件は本当に勉強になり、とても悔しい思い出になっています。成功している体験がある分野ほど、自信がありますから、「危険」です。

自分に自信があると、サインを見落とすと言いますか、聞く耳がなくなってしまうのだと思いました。そう言う意味では、開発はいつも「実績ゼロ」の感覚で謙虚に取り組まないとならない難しい仕事ですね。・・・言うのは簡単ですが、難しいところです。

人様の心理を考え、欲しい物を探り、お届けする・・・。ここには「I」や「Me」は無い。自分が主語になったら危険なんですね。

俺が考えた・・・ではなく。お客様のこう言う声に・・・とか、こう言う傾向を考えて・・・とか、いつもお客様が主語になっていれば、かなり良いのだろうなあ・・・と考えております。

08-03-05 13:54 | 先頭へ↑