もうシニアになった昔スキーヤー。
外向傾と内腰の吊り上げのフォームの昔スキーヤー。
そんな僕が久々に「いい年こいて」、スキーに復帰して、カービングスキーに凄い違和感を感じて、おろおろしながら板選びを始めたのが事の始めです。
ある意味で良かった??のは、最初に手にしたカービングの板が、サイドカーブのきついR12くらいの物だったので、カービングの板の凄さが理解できた!!(手に負えないってことですが…)ことです。
で、僕の当面の狙い・ポイントが、昔のスキー技術でもなんとか行ける板を探す!!と言う命題になったのでした。
具体的には前傾過多で、外向傾と、腰の「くの字」を使ってズレに乗っていく滑り…そ言う滑りでも、そこそこ困らないで「行ける!!」スキーが欲しかったのです。
そこで、この一連の勝手なスキー試乗会の感想のまとめとしまして、今回は古い滑りのシニア・ご同輩に、自分なりに真剣にレコメンドをいたしますと、(長さは全部170cmで考えています)
①FISCHERのプログレッサー7 (写真左)
(この板はフレックスの柔らかさと加重点の広さ、「何でもあり」の操作性の素晴らしさが魅
力です。前に加重しても破綻しないし、引っかからない。古い技術をめちゃくちゃ発揮で
きる…僕はこの板を買います。グラス系の好きな昔スキーヤーの方にはとても良いと思
います。)
②elanのGSウエーブフレックスのフュージョンRS (写真中)
(フィッシャーよりもやや重めに感じられ、シッカリ感のある特性で、メタルの性質があり
ます。僕より体重のある70kg以上の人により向くと思います。この板も前を踏めるし操
作性も抜群です。フィッシャーよりやや固めのフレックスでハリも返りもあり、やや手ご
わいです。もともとメタル系で育ったスキーヤーには、こちらの方が良いかもしれませ
ん。)
③KEI-SKI Allround HIGH Performance R15 (写真右)
(elanの板に似ている感じで、なおかつ、しっとりと重厚さもあるし、適度な軽快感もあり
ます。安心して前に加重できる板。また、板の後半部分が柔らかめに感じられますが、
それは適度な走りに繋がっていると思われ、問題はまったく無いです。
凄くレベルの高い安心できる良いスキー…お値段を無視したら欲しいです。手作りの
限定品なんて格好良いですし、おそらく?ですが、メタルも入っているのでは??と言
う感じがしました。メタル派にもグラス派にも良いと思います。)
以上の3機種は、僕にとっては本当に素晴らしいスキーでした。
お薦めします。(あくまで自分の感覚が根拠で本当に「ごめんなさい」…ではありますが…)
今年、初めてスキー試乗会に参加し、このようなチャンスのお陰で色々と板を試すことができ、ICI石井スポーツさんや、野沢温泉スキー場さんや、各メーカーさんに本当に感謝いたします。
ありがとうございました。
それから、…話が別の事になりますが、
今回、僕は試乗会に行くことを通じて、ゲレンデを眺めながら、カービングターンのことなどを色々考える機会をもてましたが、どうしても気になることが一点ありました。
それは、高性能のカービングスキーを使ってゲレンデを凄いスピードで転げ落ちるように駆け抜けるスキーヤーを見て、感じたのです。
クローズドのレースのコースでなく、皆さんが滑っている普通のゲレンデなのに、過剰です…スピードが。
どう見ても彼らの技術で制御できない範囲に行っています。
言い方を変えますと、「人間の脚力」から考えても、瞬時に止まれないスピードで飛んでいっていると思いますから…(笑)。
カービングの板は普通のスキーヤーをそういう滑りに駆り立てるように思います。
大事故が起きますよね…あれでは。
昔だったら、たいした事の無かった、生身の人間同士の衝突でも、あの速度だと重大な事になりますね。
ということで、最近の基礎スキーヤーにもヘルメットの着用者が多いのに妙に納得した次第です。
考えますに、競技スキーの現場では、もうサイドカーブに規制をし始めているそうで、それがスピード制御が目的かどうか分かりませんが、横ズレしないでスピードを殺さずにターンするスキーはもう止めた方が良いとさえ思えてきます。
確かにスキーにおいてはスピード感を味わうのも重要な楽しみの要素だとは思うのですが、過ぎたるは及ばざるが如しであります。
技術選とかプライズのテストとかの映像を見ても、本人が制御できていない??様な速度で、板のターン性能に乗って行っているだけ?にも見えるような滑りが、高得点なようで、かなり抵抗を感じました。
スピードを制御して、一般人が見本に考えるような、計算した美しいすべりを見せて欲しいです。…あくまでも転げ落ちない範囲で…。
ですので、そう言う意味で、僕は技術選…を少々間違っているのでは??とさえ思っております。
あのようなスピードを、一般スキーヤーが目標とするデモや選ばれたスキーヤーに求めるのは皆さんの危険に繋がると思うのです。
本来ならスキー事故の統計を調べて、きちんとデータで論じるべきでしょうが、僕の直感で恐縮ですが、「見ていて怖いスキー場」になったものです。
ああいう転げ落ちるような滑り=「格好良いスキー」を皆がしているゲレンデは危険に過ぎます。
スピード重視だったら技術選の種目も、フリーだの大回りだの小回りだのと言わず、規制(つまりポール)の速さで全てを評価するべきです。
重要なのがスピードなんですから、タイムだけを争うべきポールを使ってなおかつ美しさを競うのはどうでしょう?
…とここまで逆説を言いますと、今の問題点が浮き彫りになるように思います。
…これって回転競技や大回転競技だよねと思われますか?そうです。スピードはこの「競技の土俵だけ」で充分ではないでしょうか?。
では、翻って、基礎スキーとは何が目的であるべきでしょうか?
僕には答えがあるわけでは無いですが、少なくても、一般スキーヤーが憧れる、範たる??デモンストレーターが、限界までぶっ飛ばして、転げ落ちるようなスキーをしている!!のは如何なものでしょうか??
少なくてもスピードはやはりレーサーに任せるべきだと思います。が…。
そんなことを感じた今回のスキー試乗会でした。
(勝手を言いまして…謝ります)