小生には、トラウマがございました。
カートリッジ(レコード針)は高くて買えないもの・・・でした。
SHURE(シュアー)のV15なんて有名な機種は垂涎の的でした・・・。
最高の性能との、定評があり・・・。
当時のお金で3万円とか5万円とか・・・35年位前ですよ・・・。ああなんてお高いこと!!。
実は、小生の「ステレオ・・こと始め」は、高校の1年生の時でした。
生家のステレオを父が買い換え・・・たのが「きっかけ」でした・・・。
で、小生は自分用にステレオを買ってもらえるという話の中・・・・機器の選択役を命ぜられ・・・。
アンプ類サンスイ。プレーヤーとスピーカーがパイオニア等を選び・・・。
で、レコードの針・・・カートリッジと言います・・・は、GRACEのF8-Cと言うのを秋葉原の・・確か・・光陽電気というお店の方と相談して決めました・・・。
で、それ以後、カートリッジ自体は交換したことがなく・・・体験したのはつい先だってまで、このF8-Cだけでした。・・・いざとなると数万円と高価なカートリッジは、庶民はそう買えませんし・・。
カートリッジのケース(カートリッジ・キーパーとか言います)に並べて、曲によってこれを使い分けるのは、「お大臣」、「お金持ち」・・・の趣味と思って憧れていましたが・・・。
※オッホン・・・この下のカートリッジケースは小生が手作りした・・以前お見せしたものです。
2つもあるのです・・・。
●上の12個が国産のセットステレオ付属カートリッジを中心としています・・・。良いものです。
●下のこのケースは海外製品や小生が気に入ったエースたち10個です・・・。
●凄いお大臣ですよね・・・パッと見・・・。・・・かーなーり、格好良いですよね・・・なーんて。
●ですが、これらは殆どゴミ・・・ジャンク品出身なのです。
オークションで20個5,000円とかで入手し、 掃除して調整し、針を交換し再利用してい
るもの達です。
●ケースも100円ショップの「200円」の透明プラスチックのフィギュア用の箱に、自分で穴
を開けた木のムク板(棚板のあまり物)を追加したものですし・・。
全部「超安い」んです。
●で、誠に勝手な話しなのですが、50歳にもなって、やっとこういうカートリッジの聞き比べを
してみて分かったことがありますので、『感想』を書いて宜しいでしょうか・・・。
●あくまでジャンク品を再生したり、交換針もメーカー純正が無くて針専門メーカーさんの
代替品も含む・・での評価だったりしますし、小生の怪しげな主観ですので、それ
を前提に、気軽に読んでいただくレベルということで、お許しをいただきまして・・・。
まず・・・・
●国産のレベルの高さに驚いた・・・のが正直な第一の感想でした。
●国産でも各社さんのセットステレオに付属の針だったりするので、一般品・標準品なので
すが、音は良いのでビックリしたのです。
●この下の5点は国産のエースたちです。左からソニーのVL-15、さわやかで迫力の
ある・・・高音も低音も十分でSHURE(V15)っぽい音で良いカートリッジです。
●左から2番目以降はビクターさんのZ1-Sと4チャンネルカートリッジの兄弟です。
どうもビクターさんは当時の4チャンネルカートリッジを色々なメーカーさんにOEMで供給
していたようで、ソニーさん東芝さんオンキョーさんなどに針が互換のボディーがあります。
●このビクターさんのMD-1016というカートリッジに小生は感服してしまいました。
●高域の伸び、低音の迫力、全体の音圧、・・・聞き比べた結果小生のベストです。
ですので、この各社のMD1016の兄弟を大事にしています。(ひそかに海外製品よ
り上と思っています)
●で、このこと、小生なりに技術的な背景を感じています。一本のみぞの左右の襞に4チャン
ネル用の情報を入れ、再生する・・・このために開発したカートリッジ・・・。
●通常の周波数0から20kを0から40kに増やして、0から20で1チャンネル。20から40k
で1チャンネルだそうです。で襞(ヒダ)は左右にあるので都合4チャンネル。
●この技術を2チャンネルのステレオに流用すると・・・とっても高い音まで再生できるカート
リッジになっているようなのです。
●もとより、そう言う知識は後からで、始めはオンキョーさんのブルーのカートリッジのジャン
ク品の音に圧倒されて、それから調べたのです。これがビクターさんのOEMでした・・。
●小生の耳で聞くカートリッジ・・・MM型のみ・・・ではこのMD-1016はベストですね。
この写真の真ん中の黄色いのが通常のエースカートリッジです。ビクターMD-1016。
この黄色から右側三個はみんな兄弟で、ビクターのOEMだと思います。ライトグリーンが
オンキョーのブランドで、赤いのはソニーだと思います。
みんな大事な小生のエースのカートリッジです。
●このMD-1016の評価ですが、友人3人も同感だそうです・・。彼らにもジャンクのゴミから
再生したカートリッジを一人に4種くらいづつお世話しているのですが、やはりビクターが
良い・・・ 音が厚い・・・迫力がある・・・上が伸びている・・・などと言っておられます。
たいしたものですね・・・。今は造っていないのだとしますと・・・なにか文化の喪失のような
寂しさがございます。知らなかったのですが・・・国産って凄いんですね・・・。
本当にもったいないです。ビクターさんの技術者の方に御礼を申し上げたい気持ちです。
●次の6個は「お気にいりーず」(複数形)です。
●前列左はエンパイヤの4000、真ん中がSHUREのV-15Ⅲ(名機)、右は新しいオルト
フォンのMC1ターボ(mc型で高出力)・・・かつて欲しかったブランドの海外製品!!
●後列は全部テクニクス(松下)左から205CⅡ、207C、270C・・・これまた205
のクラシック用から270系のポピュラー用まで・・・これで何の文句があるのか?と言う良
い音でした。
●次の写真は本来の高級品を別に撮っただけです。
SHUREはソコソコのお値段・・・1万円くらい?でしたが、それ以外は、針が無いなどの
理由で、ジャンク品でした。
左からオーディオテクニカの製品。真ん中がSHURE、右はエンパイヤ・・・。
●音は、SHUREは純正の針と写真の互換針と両方持っていますが、さすがに高域から低
域まで良いバランスで、音圧、迫力もあり、ああ定評と言うのはこういうことなんだ・・・さす
がだと思いました。(互換針{SAS}の音は相当良くて、純正との差は発見しにくいです)
エンパイヤは抑制が効いた突出点が無い感じで、スタンダードな音・・と感じました。
●オーディオテクニカは高音の響きがよく低音は少なめで、蛇足ですが、小生の持っていた
GRACEも意外に個性派で、高音の艶重視で低域はやや少なめに引き締まっているカー
トリッジでしたので、テクニカと似ているなぁ・・と思いました・・。
●最後の写真は、一番好きなビクターのアップ写真。1個500円くらいで入手。・・・なのに・・・
●これらは・・・・最高だと思っております。
アナログの時代に、このように沢山のカートリッジを聞き比べようなどと贅沢なことをしたら、
いったい・・・いくら掛かったことでしょう・・。
現在ではアナログファンは限られますので、カートリッジの新製品は少ないですし、小生はもっぱらジャンク品狙い・・・でございます。
まとめて20個5,000円等で落札です。20個のうち5個くらいは本当に音の出ないゴミです。でも手を入れれば蘇るのも多くて、掃除や適合する交換針のリサーチなど面倒くさいし、ヘッドシェルの交換や、リード線の交換なども結構必要です。
手間は掛かります。
・・・・でもとっても安価に22種類の音を聞き比べたりしております・・・。
かなり楽しいですよ・・・この遊び・・・。
針交換の瞬間・・・チョットだけですが、昔あこがれたマニアのおじさん達の後姿を思い出し
ます・・・。