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手作りスピーカー しょの9の②

始めに・・・完成した長岡先生設計の大型バックロードホーン(手作りスピーカー)の
写真からご覧下さい。
写真の外側の大きいスピーカーが今回製作したもの・・・。
一部塗装の不十分や、背面の補強板の未取り付けなど、細かい点を除けば一応完
成でございます。
D-58ES kansei.JPG
(写真外側が故長岡先生の型番・・・D-58ES(R)です。内側の小さいのがオリジ
ナル設計の8.5cmバックロードホーンです。)

FOSTEXの強力な20cmの限定ユニット FE-208ESR  を使用しています。
これは、本当にスーパーユニットだと思います。

制作中の写真は別途、フォトレポートとしてご覧に入れますが、本日は音出しをしての
感想や思いなどを少々お伝えします・・・。

1.大物でした。  
  とんでもない重量と、サイズが大きいが故の工作の大変さ・・・。 
  しかし、これは一生モンの(終の)スピーカーになるでしょうね。

2.音はコリャマタ・とんでもない素晴らしさです。
  FE88ESR使用の8.5cmの繊細さに負けない程の細やかさ!と情報量が
  ありながら、低音も大迫力です。

  懸案の大問題!!アンサリーさんのブランニューオリンズの3曲目も、小川美潮さん
  のアルバムも楽々と再生してしまいます。 
ANN.JPG
(いつも出てくるアン・サリーさんのアルバム。この3曲目のキックドラムが小口径のフ
ルレンジには鬼門でした・・・。)
mishio.JPG
(これが小川美潮さんのアルバム4to3・・・。1曲目から凄い低音なのです。)

  このスピーカー、ダイナミックさも凄く良好で、小音量でも音がさびしくならず
  に楽しめるのが驚きです。

3.知人が驚きました。
  小生はいつも一人で作ってましたので、工作を応援してもらったのは今回が初めてで
  すし、自分のやり方を「人がどう思うか?」など、考えてもみなかったのですが、応援し
  てくれた友人は、小生の作る・・・『やり方』と『精度』にかなり驚いてしまったようです。
  小生の作り方では、すべての部材の接着は、ボンドとコースレッド(木ネジ)の併用な
  のです。
  このコースレッド(木ねじ)は、一旦下穴を開けて、さらに木ネジの頭が飛び出さな
  いように、木ネジの頭の皿の部分が収まる穴(逆円錐型)を削ってからネジを締め
  付けています。
  ドリル穴を開ける際に、部材が動いてしまって誤差が出ないように、箱の4隅のネジの
  下穴は一本づつ慎重に位置決めしてから、穴開けし、それにぴったりの釘を差し込み、
  動かなくしてから次の穴を開ける要領です。
  4隅の穴が開き、釘を刺して固定が完了し位置が決まったら、その他の木ネジ下穴を
  一気にドリル加工しています。
  すべての穴が開いてから、釘を抜いて板を外し、掃除をしてからボンドを指で塗りのば
  し、板を木ネジ止めします。・・・・・我ながら本当に面倒な事をやっています。(ほぼ全
  工程がこのやり方ですね)

4.徹底的に掃除しながら作ります。
  木くず、ゴミは精度の敵です。
  木の粉は0.1mmくらいの精度を狂わせますので、1工程ごとに掃除機を掛けて
  掃除をしながら組み立てます。

5.MAKIZOUさんに本当に感謝いたします。
  今回の工作でも、内部の音道の組み立てが終了し、側板をつける工程で、音道のパーツ
  の凸凹を指ざわり・・・・で確認しますが、段差を感じたのはわずか一ヶ所のみで、それも
  おそらく0.1mm未満でした。・・・カンナでの簡単な修正で完了しました。
  これは・・もともとMAKIZOUさんのカットした部材の精度が高いからできる事です。
  本当に驚くべき丁寧さでカットしてくれています。
  MAKIZOUさんも愛情込めて・・・とおっしゃいますが、まさに、そのとおりの仕事だと思
  います。頭が下がります。
  おそらく、カットをする時に出る木くずを、1カット毎に丁寧に掃除している?と思いま
  す。

  パネルソーに板材を置くときに、台の上のゴミをおそらく一回のカット毎に掃除して切っ
  ているくらいの丁寧さだ!!??・・・と小生は感じております。

  直角の精度も素晴らしいのです。MAKIZOUさん本当に有り難うございます。

6.今までの蓄積があります  
  今までたくさんのスピーカーを作ってきましたが、どうやらこれが最後になりそうな気配
  です。おそらくもう・・・次は作らないと思いますのです。
  こんなことなら、最初から20cmを作ればとも思いますが、いきなり20cmでは、こういう
  精度の加工や工夫した作り方のノウハウが無いので、今までの経験は無駄になってい
  ないのかも知れません。
  しかし、我ながら・・で、お恥ずかしいですが、作るのはうまくなりました・・・。

この後 ③で製作のフォトレポートを整理いたします。


※このバックロードホーン形式のスピーカーは、好き嫌いがはっきり出るスピーカーのようで、全くダメで、嫌いと言う方もいらっしゃると聴いております。
耳が良くて、周波数が分かるようなタイプの方にとっては、低音の特定周波数のピークとディップ(特性の凸凹です)が耐え難くて聴いていられない・・・とか、中・高音が雑で・ラフで、うるさくて聞けた物ではない・・・という方もいらっしゃるようです。
有名なスーパースワンでさえも、お作りになってすぐ後、聞けた物ではないので、捨てた・・と言う方もいらっしゃるそうですので、この自作スピーカーについての内容は、あくまで小生の感覚・自分の好みでございまして、客観的な比較や性能の説明とは申せませんので、その点、一ユーザーまたは小生が譲った友人の方の主観といたしまして、悪しからず、お許し頂ければと思います・・・。

10-30-07 16:31