ランタンのレストア・フォト・レポート2は(フレームとベンチレーターブラケット)にしようかなと
思います。ランタンのメンテナンスとしては、化粧の部類に入る「美観の改善」でしょうか・・。
レストアは結局、ランタンの部品を一点づつ清掃・整備することが主眼でして、部品の準備
が終われば組み立てはあっという間です。
従いまして、部品ごとに手入れに少々のコツがあったりしますので、それを出来るだけ写真
でお見せしたいと思います。
(ご紹介するやり方が、正しいかどうか?という面はございますので、お許しください)
さっそくフレームの手入れですが、
まず、バーナーのパーツを取り外してフレームだけにしておいて・・・。
①ワイヤーブラシで錆びのブラッシングです。
大きさは歯ブラシを一回り大きくした程度のサイズのワイヤーブラシを用意して、ブラシを
丁寧に掛け、錆をあらかた取り除くのです。
根気が要りますがこれは重要だと思います。
後々この手入れ済みのフレームを長く使う気持ちなのであれば・・・。
左は普通レベルの錆びです。右はフレームの裏面で、バーナーの回りが膨らんで凸凹していますが、これも錆びと油煙の塊です。丁寧にワイヤーブラシでブラッシングします。
②花咲かGの20倍希釈液にフレームを漬け込みます。
バケツや適当な容器を選んで、完全に「つかる」深さで漬けます。
漬け込み時間は鉄のフレームは何時間でも良い?のですが、ジックリやるなら一昼夜
です。コツは途中の3~4時間おきに、液の中で、古歯ブラシで錆をこするのです。こうす
ると溶けた錆が歯ブラシで鉄の表面から除去され、液に洗われ、またさらに漬け込む時に
、この液が深いところの錆びに届く・・・ので、古歯ブラシは大変効果的なのです。
終了後軽くふき取って乾燥すると、錆び取り完了です。腐食した後の細かい隙間の奥まで
錆が落ち、防錆処理も完了です。錆び取りの痕は黒っぽくなっています。
※錆とり剤は、(関係者ではありませんが)花咲かGをお薦めします。色々使いましたが、
花咲かGは楽なんです。この液は、確か中性のリン酸塩系で、酸性の錆び取り剤と異な
りマイルドな効き方なのですが、錆び取り後に中和などの始末も不要で、そのまま乾か
せば錆び止め剤の効果もあるのです。・・・とても便利です。
これに対しまして、酸性の錆び取り剤は即効性で錆び取り効果は抜群で、折り紙つきで
すが、酸だけあって、使用後はすすぎと中和を徹底しその後の防錆処理をちゃんとやる
必要があります。・・・やらないとあっという間に・・・10分もすれば赤く錆びが出始めて驚
きます。
ですので、小生はひどい錆びの場合、作業を急ぐ場合・・には酸性を使ったり・・・して、
使い分けています。
錆び取りの漬け込みの必要性に関しては、小生が、もしサンドブラスター(砂を圧縮空
気で吹き付けて錆を落とせる凄い道具)を持っていましたら必要無いと思いますが、サン
ドブラスター無しでは今のところ漬け込みが一番信頼できるの方法ではないか?と思っ
ております。
左は漬け込み。右は錆び取り後の写真です。黒くなっていますが隅々まで錆が取れ、さすが薬品処理で・・・完璧です。
左は錆び取り済みのフレーム上部・内側。右は全体・・・綺麗です。後は耐熱塗装です。
③耐熱シルバー塗装(自動車・バイクのマフラー用)をしてオーブンで加熱処理
市販のスプレーの耐熱塗料を吹いて乾燥しオーブンで160度程で1時間加熱します。
小生は大型の温度設定のできるオーブントースターで、やや高めの170度で1時間やり
ます。・・これでフレームは完成です。
左は完成後の写真。右はオーブンで1時間焼いているところ・・・。
左はベンチレーターブラケット・・フレームと同じやり方です。右は錆び取り後、塗装前にフレームの曲がりや凸凹の修正をしているところです。ご参考に・・。