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ランタンのレストア・フォト・レポート1(分解)

ランタンのレストア・フォト・レポート1でございます。
当たり前かも知れませんが、ランタンの分解から始めます。ランタンのメンテナンスでも分解が基礎の基礎でしょうか?・・・。

まず・・・ランタンの分解の前には、燃料キャップ(フィラーキャップ)を外し、タンクを逆さにしてガソリンを全部出しましょう・・・。オークションなどで入手したランタンの場合は、中のガソリンの質も不明ですから、基本的には油同様に新聞に染み込ますなどして捨てるのが無難だと思います。

①ベイルをはずします。左右にシッカリ引っ張ります。きちっと力を入れて引っ張りませんと意外にベイルの固さがあり、バネのように戻るので、万が一手が滑りますと、大切なベンチレーターに勢い良くぶつかってホーローが欠けてしまう事もあります。(小生はかつて一度失敗して欠いています)それなりに要注意でございます。
bail.JPG
分解の写真はレストア済みのランタンも使っています・・・あしからずご了承を・・・。

次に
②ボールナットを緩めて取りはずし、ベンチレーターをはずします。
ball nut.JPG ventilator.JPG
このボールナットは熱いうちに触って大火傷をした事があります。指にナットのギザギザ模様が暫く残ってました・・・。

③ガラスのホヤ(グローブ)をはずし、バルナットを緩めてフレームをはずします。
globe.JPG val nut.JPG
バルナットは無垢の真鍮のナットと空洞のプレスのナットがあります。右はプレスのナット。バルナットをはずしたらフレームは上に抜くだけで外れます。
val nut3.JPG wrench.JPG 
左は無垢のバルナット。右のレンチはコールマンの専用レンチです。
frame.JPG collar.JPG
左、フレーム部とバーナー部は一体になっています。右の写真はフレームを取ったところです。バルブ部とカラー(襟)が見えます。

④バルブステムを緩めて抜きます。ツマミも緩め、ナットも緩めます。(タンクの内圧が掛かっていると残った少量のガソリンが出てくる可能性ありますから、フィラーキャップ・・燃料キャップ・・・を緩めて空気を抜いて内圧を下げておきます・・・。)右は別の角度の写真です。
valve stem.JPG valve stem2.JPG valve stem off.JPG collar off.JPG
カラーはバルブのツマミ部が無ければ簡単に取れます

⑤バルブの全体をはずします。モンキーレンチでやりますが、ちょっとコツが要ります。
 バーナーもモンキーレンチで分解です。ススだらけで汚れます。
valve off1.jpg hasamu monkey.JPG
小生は大き目のモンキーレンチで、バルブのツマミ(ナット)をはずしたあたりを挟んで、写真のような感じで、グイッと緩めます。(実際はタンクを膝と手で上から押し付けておいてモンキーのハンドルを上から下に押して緩めます・・・上から押すと左回し・・です。この作業が始めのころ上手く出来ませんでした・・・コツをつかむと簡単です。)右の写真はモンキーレンチでの挟み方です。力ではなく体重でモンキーを押し下げます。結構大変です。

⑥バルブ一式の確認と・・・バーナー部の分解
valve assy.JPG burner bunkai.JPG
左がはずしたバルブ一式。右はフレームからモンキーレンチでバーナー部をはずすところ
バルブの下部のタンク内の部分は、フューエル・アンド・エアーチューブと言いますが、ここは大体錆びたり汚れたりが・・・ヒドイです。ブラッシングして錆び取り液に漬け込み、洗浄します。
burner parts.JPG
バーナーのパーツ一式です。一箇所のナットを緩めれば、全部分解できます。ススだらけです。上のバルブもこのバーナーも真鍮のワイヤーブラシなどで軽く掃除をしておきます。(後から錆取り液に漬け込み洗浄しますが・・・ざっとブラシを掛けます)信じがたいことですが、このU字型のパイプの中や、フレームの方のパイプの中などに、くもの巣や蛾の繭??が実際にあったりしますので、ちり紙を太めに撚ったのものを通す・・・などして、必ずゴミの掃除をします。

⑦ポンプ部の分解です
ポンプ部のキャップをはずします。ネジの場合と、バネのクリップの場合とがあります。バネのクリップはマイナスのドライバーの先をバネとタンクの隙間に入れてこじってはずします。
キャップを取ってポンププランジャーを左に数回、廻しておいてから引き抜き、その後中の四角い心棒を左に廻して抜き取ります。(右の写真では、中の四角い心棒・・・チェックバルブのシャフトもポンププランジャーと一緒に引き抜いています・・・)
pump cap.JPG pump pranger.JPG
pump cap hazushi2.JPG
下の段の写真はバネでキャップをとめるタイプです。ドライバーで写真のように外します。

⑧大仕事・・・チェックバルブの取り外し・・・。
写真でチェックバルブ(空気の逆止弁です。真鍮製で、弁も小さな金属球です)を見てください。これが上手く外れずに、結局ネジの頭をつぶしてしまい駄目になるタンクも沢山あります。
・・・・つぶしてしまったチェックバルブのはずし方は何度も経験し、得意ですのでまたご説明いたします。
check valve.JPG check wrench.JPG
右はチェックバルブレンチと言い、必要な専用工具です。この工具はネジ頭の凸凹の幅で2種あり、それぞれカナダ仕様と米国仕様となっています。手持ちのランタンは、メンテの部品としてどちらのパーツが使われているか不明ですので、専用工具は結局2種とも必要になります。チェックバルブをはずす時は、チェックバルブの頭のスリット凹に専用工具の突起凸をきちんと嵌めてから、押す力8割!!廻す力2割!!くらいで、あくまで強く押しながら、廻して緩めます。押す力が弱いとチェックバルブの頭を専用工具が舐めて潰してしまい、タンク一個が「一巻の終わり」となります。
check off.JPG pump check parts.JPG
右はチェックバルブとポンププランジャーのパーツ写真です。これらは言い換えますと、「中身の弁」と「空気ポンプ」で一組になっています。チェックバルブの先端も大変汚れていますが、小生は交換せずにブラッシング後、錆び取り液で漬け込み洗浄し、再生して使います。金属球がカラカラ音を立てていたら殆ど再生できます。錆び取り液は例のオートバイなどのガソリンタンク錆び取りの「花咲かG」の20倍希釈液ですが・・・。これが良いのです。
この続きは、メンテの内容を中心にして、2回目以降に丁寧に書きます。

それから・・・・。⑤と⑦⑧の工程は、どちらからでも良いと思います。⑦⑧を先にした方が良いかも知れません。・・・・ちなみに・・・写真の55年11月のボロランタンの分解では、ポンプ部⑦⑧を先に分解し、果たしてチェックバルブが上手く外せて、レストアして復活出来る物かどうか?を先に調べていますです・・・。

●最後に次回からのレストアのベースになる55年11月の写真を数点お見せします。
boro tank2 pump.JPG boro tank1.JPG
tank decal.JPG frame sabi.JPG
tank bottom1.JPG tank bottom2.JPG
タンク底部もひどい状態です。全般的に・・・錆びています・・・・。11  55と読めます。
綺麗にしますので・・・お楽しみに・・・なーんて。

※お願い・・・個人の趣味のランタン・レストアの記載でございますので、小生の間違いや、問題のあるメンテナンス方法なども、もしかしたらあるかも知れません。その点お含みおき頂きまして、お許し頂き、その上で、何らかのお役に立てれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。

06-13-07 13:07