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手作りスピーカー しょの5

「手作りスピーカー しょの5」
まだ続いておりますシリーズ第5弾?『しょの5』でございます。
いつも大変申し訳ございません。
ご興味ない方・・・まことに申し訳なく思います・・・。
今回はスピーカーの手作り「偏」のとうとう5回目であります。
前回までに、
①D-101S(スーパースワン)から
⑤D-99ES-R(FE88ES-R用 ブックシェルフ型)小生の図面あり・・・の話まで書きました。
そこで、今回は、
⑥FE88ES-Rのトールボーイ型バックロードホーン(オリジナル)について・・を書きます。

そもそも、このトールボーイの設計は3つの理由で始めました。
前回同じスピーカーユニットで製作したD-99ES-Rがお嫁に行ってしまった。(とても寂しい)

それでも、好きな音のユニットだったので忘れられず、どうしてもまた聞きたい。(相当にお気に入りのユニットです)コレをなんとかオークションで入手できましたし・・・。

現スーパーエース・スピーカーのD-37ESは素晴らしいのですが、トゥイーターを使いますので、高音域にホーントゥイーター独特の癖(やや刺激がある)はあります。

また、良いスピーカーですが、情報量が多すぎ、大変「強い音」なので、楽しいけど疲れる・・・ので体力が要ります。それで、普段、気楽に聞く小型スピーカーも欲しい・・・のです。

しかし、作るとなりますと、また同じFE88ES-Rというユニットを選択して作るのでも、従来と同じ設計ではなく、さらに言えば根気・根性のいる砂充填のスタンドが不要な設計のバックロードにしたい!!とも思いました。

そこで、スタンド不要といえばトールボーイ(背の高いスピーカー)です。もちろんバックロードホーンで・・。
このようにして、オリジナル設計の、トールボーイ型、バックロードホーン・スピーカーを手作りしようという考えになりました。

tallboy kansei1.JPG tallboy kansei2.JPG

板材の取り都合(とりつごう)からして、設計以前に高さは90cmでほぼ決定です・・・。さてさて、どうなりますか・・・。バックロードは作ってみないとわからない(長岡先生のセリフです)スピーカーの代表ですから・・・・。

それでは、早速ですが・・。
口径8.5cmの大好きなユニットを使用した、トールボーイ型オリジナル・バックロードホーンの製作です。
まず、ユニットの復習から・・。FE88ES-R。このユニットは何と言っても40khz(キロヘルツ)まで延びた高域のさわやかさに特徴ありです。本当にトゥイーターが不要で、これが大変・大変、大きなメリットだと思います。
さらに、今回は、このユニットのスペック表から特にQ0(キューゼロ)を気にして再設計してみました。
このユニットは強力という話とは裏腹に、良く見るとQ0は意外に大きいのです。
10cmの限定生産のユニットで0.23(FE108ESⅡのQ0)
8cmの限定生産のユニットでは0.31(FE88ESのQ0)
で、このFE88ES-Rでは0.46です
数字が大きくなるとバックロードでなくても、バスレフなどでも使える、マイルドなユニット・・と言う事になるようです。

ですので、絞り率には少々考察が必要と思ったのです。
実際、ES-Rの時、特定のCDの一曲位ですが、低音の強いパルスの入力には「弱い」のを感じていました。
音がボコボコ言う感じになるのです。

いままでの勉強からしますと、Q0が小さい超強力ユニットのバックロードの設計ですと、絞り率90%とかでOKで、あまり絞らないでも良いようだったのですが、こう言うQ0が大きいマイルドな特性のものは、70%くらいに絞り込んだ方が良いのでは?という考えを持ちはじめました。

スロートを音が通過する時のプレッシャーで、ユニットのコーン紙が動きすぎてしまうのを防ぐ感覚です。空気バネで動き過ぎを止める!!とでも言いましょうか・・・。そう言う設計をしようと思いました。

1.設計の留意点・・
一応、小生の計算の内容をお話ししておきますと、まずスピーカーの後ろの部屋の大きさ・・・→空気室の容積を(D-99の1200ccをガイドラインにしつつD-99ESRの経験から)1400ccに設定しています。
低音時のユニットのバタつきを抑える意味で、非常に感覚的な事を頼りにした設計で恐縮なのですが、大きすぎない1400ccです。
この後、検証するとしたら1300ccくらいがどうか?が気になりますが・・・。
(実際2月18日現在の状況では100cc程の木のブロックを一つ入れ、計算では1300cc程にしており、結果は良いように感じます。さらに、もっと体積を小さくする時は、ウッドブロックにフエルトをまいたもの等を追加し、空気室に放り込めば完了で、簡単です。体積を増やすのは殆ど不可能ですが、縮小するのは粘土の塊など、何か物を入れるだけでも出来ますから・・・それで大き目の提案が安全と言うことになります。)

ちなみにFOSTEXさんの、このユニットの説明書に示されてある、バックロードホーンの設計(例)では空気室1200ccで、スロート面積30平方センチです。

長岡先生のD-99では1200ccで良い結果でしたが、少々大きい8.5cmのこのユニットでは、空気室も少々大きくした方が良いのでは?と思っております。

次に難しいのはスロート(ラッパの入り口・・の面積)の絞り方です。
スピーカーの振動板面積の何%にスロートを絞るか?が大変重要なのですが、小生は当初の設計では84.7%くらいにしていました。
どうも、この位が良いのでは?と言う事で暫定的に採用した数字なのですが、このユニットは意外にもQ0(キューゼロ)が大きく、噂に聴くよりは、超強力ではない特性で、バスレフ方式でも使えるくらいなので、スロートは70%位の絞り方でも、低音でユニットのコーン紙が暴れずに済んで、かえって良い結果の可能性が高い・・と考え直しました。
実際に小生の実験では、スロートを26.4平方センチ、絞り率71.7%まで絞り、聴感上は好ましい結果を得ています。(小生は測定用の機材を持っていません・・・聴感の話ですみませんです)

throat.JPG
(この写真のスロート部に、調整後、さらに1枚、4mm厚のシナベニヤを加えています。バッフル板の裏側からは打ち込んだ爪つきナットが4個見えます。空気室の下のデッドスペースにはミクロンウールをギッシリ詰め込んでおります。)

後はホーンのカットオフ周波数を、よく採用する24ヘルツ・・に設定して、計算したとおりのホーンを箱の中に組み込んでいます。
スロートから何センチ進んだら、スロートのホーン断面積の何倍・・・1.3倍とか・・になるかを計算していきます。(早見表があります)
設計上留意したのは以下の点です。

A.スリムでホーンの開口部をユニットに近い上部に持ってくる!!
B.音道の中のデッドスペースには板材を贅沢に投入し共振を防ぐ

(と言っても、板取り上は3×6定尺合板2枚から、すべてのパーツを切り出せ、問題なく収まっていますので、補強には目一杯板を使ったほうが効率が良いのです・・。)
C.開口部周辺や底部には、板材の2枚重ねと3枚重ねをおごり、強度を上げる
D.三角材として、10cm角材の半割を、2箇所は必須として、低音の吐き出しをスムーズにする

です。

しっかり低音を出すためには、ホーン開口部周辺の贅沢な補強が必要と感じております。

図面をご覧下さい。

・FE88ES-Rの
トールボーイ型バックロードホーン(オリジナル)図面を表示

組み立て時の写真は、設計の修正前で、小生の自宅用のものです。
ですから、ホーン途中の板材の塊のような⑫~⑯の部分の枚数変更(写真で4枚を3枚に変更)や、開口部の下側の板材の枚数変更(写真で2枚を3枚に変更)をしたりしています。

設計変更後の「図面」を「正」としてくださいませ。

作った後に気が付く補強の合理性・・・などで、あくまで良い方向に、少々設計の変更をしているからです。

2.板材の手配
板は15mm厚で、広島のMAKIZOUさんに、お店のオリジナル素材である、スーパー・シナ・アピトン合板で、オーダーカットをお願いしました。
MAKIZOUさんにオーダーカットをお願いするのは、D-37ESの時に続き、今回で2回目ですが、本当に素晴らしい精度と情熱で対応していただけます。

梱包の丁寧さや、組み立てを意識したカット寸法のアドバイス、パーツの同梱の配慮など・・・愛情までを感じさせるお仕事ぶりです。本当にいつも感心いたします。
MAKIZOUさんでは、丸い穴も四角い穴も開けてくれますので、送って頂いたら後は丁寧に組み立てるのみです。

今回は側板にはネジを打ち、強度を充分出し、美的な面では、ネジを隠すように、その上から3mmのシナベニヤで化粧をする方法をMAKIZOUさんとご相談して選択しましたので、木口テープは3mmのシナベニヤを貼った後からしか、貼れません。
そのため、木口処理の加工はセルフサービスでやりました。
でも難しくありません。G17などのゴム系ボンドを木口に塗って乾かして、その上から初めからのり付きの木口テープをドライヤーなどで温めてから剥離紙をはがして、貼るだけです。出っ張りはカッターで切り取ります・・。
15mm幅の木口テープはMAKIZOUさんから購入しました・・・・。
側板用の20mm幅のシナの木口テープは東急ハンズさんで買いました。(側板は15mm+3mmです)

3.パーツ確認と下準備
パーツをそろえて過不足を確認し、組み立ての開始です。
まずは、寸法の確認からです。
音道構成パーツはすべて幅120mmです。
平らな板の上で、120mm同士のすべてのパーツを背比べするようにきっちりくっつけて揃えて見ると、狂いがある物が出っ張ったりします。この段階で出っ張るパーツにカンナを掛けたり、ヤスリで削ったりして綺麗に均しておきます。これはコツです。後々の組み立てが楽になるので是非やっておきたいものです。(MAKIZOUさんのカットでは、誤差のあるパーツは、一つもありませんでした・・・凄いです。)
事前の準備としては、さらにフロントバッフル板に、裏側からスピーカーの取り付け用の爪つきナットを打ち込んで、つけておきます。

この程度の小型のスピーカーユニットでは取り付けるネジは4mmを使います。従って爪つきナットも4mm径用です。(爪つきナットは8個入って100円くらいです。)

取り付けは、この爪つきナットの外形が5.5mmくらいですから、ドリルの穴は5.5mmの穴となります。穴の位置は図面的にも割り出しますが、早いのは現物での確認です。
穴の中心を出すためには、穴を開けて切り離した丸い不要な部分を中心に入れて、中心からネジまでの距離をコンパスで墨付けしてから、丸い部分を外し、穴にユニットを置いて、ユニットの取り付け用の穴にコンパスの線が見える範囲で、キリでチョットだけ穴を開けると安心です。(MAIKZOUさんからはこの穴の内部の丸い板も送られてきます・・ご安心を)
・・・この墨付けと現物あわせの併用をやりますと、ユニットがバッフルの穴に対して偏ってしまいませんし、寸法のミスも現物で確認可能ですから安心です・・。
爪つきナットを打ち込みますと、実際はユニットの丸い開口の内側の部分に、ナットの一部(金属の針部分)が少々が出っ張る筈です。

これはナットを打ち込んだ後で、ヤスリで削ります。

木口テープも大部分は事前に貼ります。
①の上下、⑰の上、⑳から(22)の上、⑯の上側・・を先に貼っておきます。
側板(23)(24)の周囲は、組み立て後に貼り付けます。

bond1.JPG bond2.JPG
ボンドを指で塗り伸ばし、乾燥後、温めた木口テープを貼ります
koguchi1.JPG kobuchi2.JPG koguchi3.JPG stein.JPG
                           ステイン着色後のパーツを並べて乾燥します

その他の準備では、今回は組み立て前に着色をしています。
メープル色のオイルステインで、見えそうな範囲の音道内部からその周囲、さらに3mmの側板の化粧板など、すべて塗っておきました。
ステイン塗装は刷毛で塗ったら、すぐにきれいなボロ布・・でふき取り、ムラにしない・・という塗装方法です。
⑳の裏側や三角材にも着色が必要です。
シナの木口テープの後加工の部分にもステインを塗ります。
テープには何故か色が付きにくいので、木口テープだけはステインの2回塗りをしますと、周りの部分との色合いが揃います。

tanshi.JPG wire.JPG
端子に半田付けしたコード                組み立て時の端子の取り付け

さらに、スピーカー端子を⑰の上部に取りつけておきます。
2個の穴(10mmくらい)に、あらかじめ半田付けしておいたスピーカーコードを通し端子を木ネジで取り付けておきます。
穴の位置は⑰の上端から35mmくらいが穴の中心になる感じです。
使うスピーカーコードは、何しろ長めが肝要です。
コード自体は38.5cmの箱の後ろ側にあるスピーカー端子から出て、バッフルの穴を抜け、箱の上に乗せたユニットの半田作業などの余裕を見るのですから、80cmくらいの長さで良いと思います。

4.組み立て・・音道から・・
一応、組み立て式を書いてありますので、その通りに組むのが無難です。
初めての方は、側板(23)の上に①~(22)までを並べ、まずあたりをつけてみることをお薦め致します・・。作る段取りのイメージが湧きますから・・・・。
組み立ては、まず、空気室部分を構成をするパーツ⑤に②~④を取り付け、さらに⑦とその上の★の4mm厚の2枚の板で、スロート部分を作っておくことからスタートです。
⑦の後に⑨も取りつけておきます。
①のバッフル板には⑥を取りつけておきます。
⑫~⑯の板の塊は、先に貼り合わせて作っておきます。
一般に板の貼りあわせは、ズレたら困るので、まずボンドを付けずに板同士をきっちり合わせ、下穴をだけ穴あけします。ドリルの刃はこの場合は板3枚を貫通しない程度に、ドリルからの刃の出方を45mm以下に調節します。
6箇所くらい穴あけしてからボンド付けし、貼りあわせ、ボンドが落ち着いたら、ネジが貫通して飛び出ないようにやや短い40mmくらいの長さのコースレッドで締め付けます。
こうして貼りあわせは「穴が先」「・・それからボンドで接着」「コースレッドを締める」とやると、ズレにくく、うまく行きます。
もちろん穴あけした時の通りに貼り合わせませんと、穴がずれ意味がなくなります。
ボンド付けのとき、部品の裏返しをしないように、貼り合わせる面が分かるマークをしておきます。

この時、平らな板の上で組み立てると塊の部分自体の精度も上がりますし、L字型の部位との接合もネジレ無いで組み立てられ、うまく行きます。「平らな板の上で組みたてる」がポイントです。
この塊を⑪につけますとL字型が出来上がります。この順番でないと段取りが悪くなります。
塊の後は⑪への三角材の取り付けになります。
で、さらにその⑪を②・⑤に取り付け、その後②~⑤の上に①を取り付ける段取りです。
ここまでで上部のパーツ部分が出来ています。
kumitate1.JPG kumitate3.JPG
空気室周辺の組み立てから、上部の音道全体の組み立てへ・・

つづいて後部のパーツの組み立てです。
⑰に⑧、⑩を取り付けます。
その後、先に⑱と⑲を貼り合わせておき、⑰に取り付けます。
⑱と⑲に⑳を打ちつけ、⑳に対してあらかじめ貼りあわせた(21)(22)を付けて行きます。
kumitate2.JPG kumitate4.JPG
音道全体が見えます。開口部近くは板を厚く使い、相当の補強がされています。
noko1.JPG sankaku1.JPG
 三角材は切り出しが大変です

2個目の三角材もこの後に付けます。三角材は下からの固定で良いと思います。
(三角材は一辺が10cmくらいの角材を斜めに半分に切ったものを片側2個使います。
三角材は開口部へ低音を押し出すために大変有効なパーツのようです。小生の場合は、1辺が10cmくらいの角材を手のこで(のこぎりで)斜めに裂いて使っています。これは「のこぎり」の縦刃(たてば)で無いと、うまく切れませんので、両刃の「のこぎり」がぜひ必要です。
これを鋸で切るのはかなり難しいですがホームセンターなどでは斜めのカットはやってくれませんので、練習してコツを体得してからやる以外に方法は無いようです。音道の途中には高音吸収用のフエルトを貼る・・・という工程もあります。)


さらに、この「後部」と「下部」のブロックを「上部」のブロックに付けると、構造体が完成します。

この後、手作りのスペーサーを必要とする組付けになります。
この出来上がった構造体を側板にネジ止めするのですが、この構造体はまだブラブラで、
パーツ間の寸法がガタガタしてしまうからです。
構造体を並べ、音道のそれぞれの幅30mm、40mm、50mm、70mm、85mm、115mm、130mm、165mmなどのパイプ状のスペーサーを厚紙などで作っておき、それらを所定の場所に入れますと、構造体が寸法的に落ち着きます。そうしてからボンド(乾燥の遅いもの)を構造体に付け、ネジの位置を鉛筆でマークした側板を乗せて、穴あけ、ネジの頭部のザクリ、ネジ締めとなります。
側面の板がズレが無いように角を決め、コースレッドをまず四隅に打ちます。
ボンドが落ち着いてきたら、5cmおきくらいにドンドン下穴をあけ、ザクリ、コースレッドを打ち込みます。
はみ出た木工ボンドは水溶性ですから、ぬれ雑巾でドンドンふき取っておきます。

片面で50本くらいのコースレッドを打つでしょうか?
狭くて5cmから、広くて10cmくらいでネジを打ちます。

ドリル径は2.5mmを使い、ネジ頭用のザクリはそれに向く専用のキリを使います。
写真参照ください。
コースレッドは32mmを中心に~1部には38mmを使っております。
ただし三角材の固定用には、51mm~65mmなども使います。
(小生は組み立て用に、ドライバー・ドリルを3台同時に使います。
下穴あけ用、ザクリ用、とネジを締めるドライバーの3台の使い分けをするのです。
3台使うと刃やドライバーを、その都度、付け替える時間と手間が短縮でき、早いのです。)

側板が片側に付いたところで、フエルトの貼り込みをします。
1mmくらいの薄いフエルトを⑤の下の部分と⑪の上面に木工ボンドを薄くつけ、貼ります。ホーンの中の高音を減衰させるためです。
⑲の上にも三角材に掛けてフエルトを貼りこみます。(高音の反射対策)
バックロードホーンの開口部からは低音のみを出すのが理想で、高音は減衰しているのが良いのです。フエルトなどは高音吸収用です。システムの中・高音はスピーカーからの音を直接聞き、低音はスピーカーの後ろに出た音をラッパを通して大きくして聞く・・のがバックロードホーンですから・・・。

もちろん反対側の側板をつけた後(両側取り付け後と言うこと)では、先ほどのスペーサーは二度と外せませんので、音道に残ってしまいます・・。必ず片面が終わったらこのスペーサー郡は外します。これは本当に注意してください・・・。残して組んだら最後ですから・・。

sankaku.jn.JPG nejineji.JPG
根気のオプション三角材!!          コースレッド(木ネジ)だらけの側版の写真

側板の取り付けが左右両方とも済みましたら、小生の場合、化粧用の3mmのシナベニヤの板を側板の上から貼りつけました。
この貼り付けはボンドのみで実行です。
貼ってから体重を掛けてスピーカーに〇〇分間も乗っていました。

側板の化粧板貼り付け後、側板周囲の木口テープを貼ります。
G17などのゴム系ボンドを使用します。

sankaku2.JPG tosoumae.JPG

その他
写真にはその他の三角材が写っております。
これは、根気のある時のオプションとお考えください。
やる気があったら、やるのも、また楽しい・・・です。効果の程は未確認ですが、気のせい程度の効果・・と言う方もいるくらいです。
小生は、このスピーカーがサブとは言え、期待するエースの1台ですから、ちょっと根性で三角材を作って入れました。
三角材は面倒ですが・・・。

5.組み立て・・・配線
組み立てが終了しましたらユニットの取付けです。小生の図面では先に真鍮のリングを付けてから、スピーカーの取り付けです。

リングの後にコードを通し、ユニットの端子に半田付けしました。
半田付けは賛否両論のようで、ファストン端子というハメるだけの端子にする方もいますが・・。
小生は半田付けを愛用です・・・。

6.仕上げなど・・。
これで組み立ては完了ですが、塗装など、仕上げが待っています。
仕上げは個々の趣味ですが、小生はこのスピーカーでは、木目を活かす作りとしましたので、「メープル」カラーの油性オイルステインの上から、透明の2液性ウレタン塗料のクリアをハケ塗り塗装をしました。ウレタン塗料は手指乾燥するまでは30分くらいで速いですが、重ね塗りのためには5~8時間くらい後の硬化するまでの時間を見ます。ちなみに水ペーパーで削るためには、完全硬化する20時間後を目安としています。
塗るのは7時間おきとして、朝8時、午後3時、夜10時の一日3回が限度でしょうか・・。
そして、削るのは翌日、丸1日後・・ですね。

時間を空けながら4回ほど重ねて塗って、その上から翌日に1000番の耐水ペーパーで水研ぎをして、刷毛の目を削り、その後、Tシャツのボロなどに自動車塗装の仕上げ用の研磨剤(コンパウンド)をつけて根気良くゴシゴシ磨いて仕上げます。
コンパウンドは自動車補修用品の売り場で購入し、細目から極細目を使い分けして、愛用しています。
耐水ペーパーのくすんだスリ後が消えて、ピカピカ・艶々になります。
まるでプロの仕上げの感じになります。塗装は、実は塗るより磨く感じが正解?!です・・。
このクリアもそうですが、ウレタン塗料はいつも「おもしろ塗装工房」さんで通販で買っています。
http://www.tosou-ya.comをご覧ください。
2液性のウレタン塗装は、高級家具の様なフィニッシュになります。
この塗装は2液を混合したりなど、色々面倒ですが、手間を掛けて厚塗りすると、まるでプロの高級家具そのもので、完成するととても綺麗なので、お薦めできます。

7.完成
いよいよ・・・完成です。
空気室へのウッドブロックの投入やスロートの調整でかなり良い音がしました。
全体のまとまりが良く、良い音です。
特定の録音のバスドラムの素早い低音など・・ごく一部の音の再生を期待しなければ、コントラバスやベースの低音は充分すぎるほど出ています。
やはりハイスピードで音が飛んできます。
エージングもしていないのに、のっけからかなり良い音なのはD-99ESRの時と同じです。
8.5cmとは思えない低音の豊かさに、最高40khzまでの高音の抜け。
スッキリ繊細なのはブックシェルフの時と同じ傾向です。
D-99を上下に周波数を拡大した・・・性能と言う感じです。

アン・サリーさんのCDの中にある、バスドラムとベースの重なった難しい低音・・これでも、音量を欲張らなければ、何とか破綻せずに鳴ってはいます。・・これは今まで難しかった再生なのです。ギリギリ出ているでしょうか・・・。

リー・リトナーの「カラーリット」のエレガットの抜けは大変良好です。
BEST OF FOURPLAY の一曲目、MAX O MANも最高に音が抜けてきます。
女性ボーカルも申し分ありません。松任谷由実さんの初期のアルバムが涙モノのリアリティーで、生き生きしています。
ジャズの女性ボーカルでは、SACDのダイアナクラール。声の余韻が素晴らしいです。
コントラバスの低音も問題なしです。チェコフィルの2人の演奏になるデュオ・ディ・バッソのチェロとコントラバスが、とんでもない凄い音になって飛んできます。

やはり、弱点は特定の音質で録音した場合の、大音量時の低音のパルス的な短い音、バスドラムとか・・・、これが大音量再生ではモコモコ、ボコボコする傾向が、少々ですが・・・残ったことでした。

ユニットのコーン紙が大きく前後に動いていますが、さすがに8.5cmの限界があるのでしょうね。潰れた低音と言う感じになります。低音のパルス・・には弱い様です。
しかし今回はスロートを絞る調整をしたので、少しは良くなっているようです。

・・音が良いので、ついつい欲が出ますが、大音量時の限界はやはり、ありますですね
優秀なスピーカーシステムでも、口径8.5cmは8.5cmと言うことでしょうか・・。

このスピーカーは現在、小生の小型スピーカーのエースです。
小生には、たまらなく良い音がします。
聴いていると、「なんて良い音なのだ」とシミジミ感じます。・・・また、意外な事に、結構な大きい音量で聞いていても、うっかり寝てしまったりします・・・気持ちの良い音とは、そう言う感じの音なのですね・・・。

※このバックロードホーン形式のスピーカーは、好き嫌いがはっきり出るスピーカーのようで、全くダメで、嫌いと言う方もいらっしゃると聴いております。
耳が良くて、周波数が分かるようなタイプの方にとっては、低音の特定周波数のピークとディップ(特性の凸凹です)が耐え難くて聴いていられない・・・とか、中・高音が雑で・ラフで、うるさくて聞けた物ではない・・・という方もいらっしゃるようです。
有名なスーパースワンでさえも、お作りになってすぐ後、聞けた物ではないので、捨てた・・と言う方もいらっしゃるそうですので、この自作スピーカーについての内容は、あくまで小生の感覚・自分の好みでございまして、客観的な比較や性能の説明とは申せませんので、その点、一ユーザーまたは小生が譲った友人の方の主観といたしまして、悪しからず、お許し頂ければと思います・・・。

02-24-07 20:49