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「KEEP ON DEVELOPING」

「KEEP ON DEVELOPING」
ゲームを開発し、サービス・インして、シミジミ思うことがあります。エンタテインメントは厳しい・難しい仕事だと・・・。
何度も書いていますが、エンタメは必需要素じゃないですから、マーケッティング的に理詰めにアプローチする事が難しい!!と思っています。

同じ事で恐縮ですが、また説明しますと・・・。
例えば洗剤のように「洗って汚れを落とす」と言う実利機能があれば、基本的な洗浄力性能で上回るとか、低温の水でもよく解けるとか、酵素が入って汚れを分解するとか、ある程度、商品の仕様を理詰めにアプローチできます・・。

それはそれで難しいとは思いますが、すべての競争項目のエレメントで勝てば、後は広告戦略をしっかりやって・・・でしょうか。実際は複雑だとは思うものの、企画レベルでは勝てるかどうか?の目処を考えられるようにも思います。

しかし、エンタメ・コンテンツでは、例えば他社がこう言うコンテンツで当てていると言う参考事例があって、機能の要素でデッドコピーを作ったとしても、勝てると言う確信など、到底持てないと思います。

そりゃあ、そうです。

エンタメ・コンテンツには実利機能がありませんから、結局、最後はデザインやサイトの文言・キャラクターの可愛さなど・・「好み」「好き嫌い」のように『テイスト』・『感覚』で選ばれると思うからなのです。
頑張って理詰めに作っても「嫌いと言われたら、それまで」です。実利が無いだけに救われませんから・・。

エンタメには、そう言う『テイスト』と呼ばれる様な要素があるから、プロデューサー・ディレクターのような職種の人の「個人の表現力」にスポットライトが当たるのでしょうね。映画も典型的にそうだ・・と思います。
これは表現をするのが「人」だからだ・・・と思うのです。

弊社はどうでしょうか・・。ゲームの世界の有名人など一人もいません。「人」では表現できません。我々凡人たちの一生懸命考えた「企画オンリー」で頑張るしかありません。天才もいませんし、我々にできる事は、せめてお客様の気持ちを想像して最大限、良い企画を出すことだけです。
ウケルかどうかも分かりませんし、不安と焦燥感でいっぱいですが・・・。

では、いかにして成功確率を上げようかと思っているかと言いますと・・。
これが今回のお話 KEEP ON DEVELOPING 開発し続けること・・・しかないと思っているのです。

一発でお客様の感性に合う最高のコンテンツを企画し、開発できれば良いのですが、我々凡人は自分たちで考えて、まずやってみて、お客様のお声を聞き、直して行くしか無いのです。

CD-ROMで販売するようなパッケージ入りのコンテンツは、やり直しが簡単には利かないので、大変厳しいですが、ネットワークに置くコンテンツは比較的やり直しがしやすいのです。
つまりダウンロードするゲームアプリをバージョンアップして、新しいものに置き直し、またダウンロードしていただくのです。・・・これならば比較的容易にできます・・・。

で、だんだんに合格点を取るように工夫を続けていきます。エンタメで確率を上げるのはこう言う「絶え間ないやり直し」が支えると思います。

ですので、エンタメは一旦始めたら、それを育成することに、企業としての「決意」が必要だと思います。

良く聞きますのは、コンテンツを初めて数ヶ月で、その結果の悪さに落胆し、開発を止めて更新も何もせず、コンテンツを放置してしまうケースです。
これは勿体無い話です。コンテンツのサービスをスタートすると言うことは、今後続く開発のスタートラインに着いたに過ぎないとも思いますから・・・。

実際こうして考えてみると、エンタテインメントは本当に地味な根気の要る仕事かもしれませんですね・・・。

言い換えたら「辛抱することが前提になっている仕事」かもしれません。

他のIT企業さんでよく話題に出ることですが、その会社が株式を上場すると、人が変わったようになってしまい、時間が掛かり根気の要るコンテンツの育成をやらなくなり、大切な会社の開発体質・開発力を失ってしまう・・・という話があります。

こう言う話を聞くと上場はいかがなものか?と思います。

自分の会社の事業・商品の性質が、本来時間を掛けて育成するエンタメ・コンテンツなのに、株式市場の期待に応えるためには、事業の性質より「もっとスピード」が速いことが必要になり、効率追求、売り上げ拡大の早期化のためM&Aで当面の数字を作るのだ・・・になりがちと聞きます。

こういう話を聞くと本末転倒だなあ・・と思うのです。
自分の本業がコンテンツならば、もし株式を公開して資金が潤沢になったら、ジックリと時間を掛けて大作の良質なコンテンツにチャレンジし、なんとしても育てていく。これが正しいように感じます。

ベンチャー企業は毎年倍々ゲームで売り上げを伸ばすのが、株式市場の普通の期待値だなんて聞かされましたが、そんな事できる訳がないと思ってしまいます。コンテンツは開発の手を緩めずにじっくり育てるものだと思いますから・・・。

でも、この話、実際は上場した企業側が株式市場の期待値??に過剰に反応して、自ら熱病のような世界に飛び込んでしまっているからだ・・・とも思います。株主さんも皆が皆、あっという間に成長してくれ・・・なんて思ってはいないのではないでしょうか・・。

その会社らしく着実にやっていれば良いぞ!!と言って下さる株主さんもいるのでは・・とも思います。

そう言う意味では、会社って、自分たちの会社らしくし続けることが難しいものなのかもしれませんね・・。

小生はそう言う立派な動機からではなく、あくまで自分が忘れないようにと戒めを書いたのですが、ガラス窓に沢山、「標語」を貼っています・・・。

●良い夢を持ち、良い仕事で世間に貢献する
●創意工夫が命
●KEEP ON DEVELOPING
etc・・・・


01-24-06 16:12