趣味の話です。前回の好きな物に引き続き、キャンプ用のランタン(夜、テントの周りを明るく照らす、光る奴です)のレストアの話を少々・・・。
(レストアは・・再生ですが、言い換えたら一生懸命な『メンテナンス』・・ともいえると思いますが・・・・。)
実はこのレストア、最近小生が嵌っている趣味であります。古いランタンのレストア(restore:復元・修復)が趣味なんです。
キャンプで夜の明かりと言いますとランタンです。ランタンには、ホワイトガソリン、灯油、ガス、電池等の種類があります。
それぞれ特徴があるのですが、ホワイトガソリンはシンナーのような物で引火性が高いので、取り扱いには注意しないと危険でもあり、ある意味で不便ですが、点ければ明るいです。白熱電灯で150W以上・・と言うような明るさが出ます。
灯油燃料のランタンは燃料が安価で、引火性が低く安全ですが、点火の前に燃料が通るパイプの予熱が必要で、手間がかかる・・などの特性があります。明るさはガソリンと同等以上でしょうか。
ガス(カートリッジ式)は取り扱いが簡単で、点火もワンタッチですが、一般に光量はやや落ちます。ガスボンベ式は点灯して暫くすると、ボンベが気化熱を奪われ、冷えてしまい、気化効率が落ち、暗くなるのが普通です。寒い時はガスボンベが冷えてしまうので、なおさら効率が落ち、性能・明るさが低下します。(対策の冬用のボンベなどありますが・・)
電池式は燃えたら困る物の側で使う・・・例えばテント内や歩行時の明かり用で使います。
で、小生が嵌っていますのは、アメリカ製の古いランタンでコールマン社の200Aと言う機種があるのですが、その古いホワイトガソリン・ランタンの整備・レストアなのです。(この後ホワイトガソリンはガソリンと省略して書きます・・)
写真をご覧下さい。
右の写真のグリーンのランタン2個はコールマン社(カナダ)の1970年代のもの・・・。
左の写真の赤いランタンは「赤ランタン」の愛称でファンの多いアメリカのコールマン社製の200Aと言う型番です。1950年代の初めくらいから製造されており、タンクの底に製造年の刻印などもあり、確認もできるものです。一番左が50年くらい前のもので、写真中央が68年製。ちなみに右は小生オリジナルの改造品・・・・。
キャンプを始めたのは1990年の頃ですが、当時から「赤ランタン」と呼ばれる「名品」があることは知ってはいました。しかし、その頃の時点で、既に数年前(1980年くらい)には廃盤になっていた商品なので、「手には入らない物」と諦めていました。
それが2年ほど前、あるオークションサイトで比較的簡単に入手できると知って、気になり始めました。
50年位前のものを一つ買って見ると、本当に可愛いデザインのランタンで、明るさも程良く、気に入りました。しかし、メカ物を買うとメンテをしたくなる小生は、やはりまっとうなコレクターにはなれ??ませんでした。
この手のオールドランタンの趣味は収集の趣味(コレクター)がやはりメインと言いますか普通の王道のようです。傷や古さを「味」と称して尊ぶと言いますか・・・。小生もちろん、その手の古い物の収集は理解していますが、ことランタンに関しては、
1: アウトドアで使う物
2: ガソリンが危険を伴うこと
を考え、趣味の方向を2つに分けました。
当時のオリジナルを美しく留めるような状態の良い(ミント・コレクション等と言うそうです)ランタンは点火ができるような基本的なメンテだけをしてコレクション用にし・・。
程度の悪い物(塗装のはげ、錆び、オリジナルでない部品の使用など)は完全にいじって、レストアして、アウトドアで使い倒す!
こんな考え方で、ランタンに接するのですが、いざランタンを点検し始めると、さすがに50年近く経ったものは問題が多く、コレクションにするものでも、点火可能にするとなるとかなりの手入れ・メンテナンスが必要でした。
この手間・・・実はこれが「良い」のですが・・・。
レストアでは、あるサイトが本当に勉強になりました。オールド・コールマンの販売をされている方のサイトに掲示板があり、その掲示板の過去の履歴がメンテナンスの知恵の宝庫でした。
情報は探せばあるものですし、教えてくださる方もいるものですね・・・。本当に感謝しています。
ランタンの分解をしてタンクの中に豆電球を入れて点灯・確認した時、内部のひどさに驚いたのが、レストア趣味のキッカケ??でした。
やっとオークションで落札し、来た来たと喜こびつつ、タンクの内部を覗いて「愕然」「呆然」と言う感じです。頭の中にあの曲、『トッカータとフーガ』が鳴り響きました。メロディー、ご存知でしょうか?「チャラリ~、鼻から牛~乳~」のあれです。
錆と汚れが本当に凄いのです。ドロドロ、デロデロとでも言うのでしょうか、茶色、黒、青の錆と汚れがガソリンタンクの中全体にびっしりと、カビかコケでも生えているように付いているのです。
外側に錆が無く一見綺麗なランタンでも中はひどい錆だったり・・・その逆もありましたが・・・。
情報に従い、錆び取り液などを駆使して錆を溶かして洗浄しますと本当に綺麗な銀色の鉄の色にはなるのですが、やったと思った瞬間、また『トッカータとフーガ』が鳴り響く事もあります。
運が悪い時は、錆を取ったために、今まで錆で埋まっていた穴が開くのです(ピンホールと言う小さな穴です)。そして、あってはならないガソリン漏れが始まるのです。
錆び取りをしないわけにもいかず、取ればピンホールができてしまうリスクがあります。ピンホールは溶接技術の無い小生では塞げないので、これが確認できた時点でそのガソリンタンクのレストアは終了・諦めです。(実際はこう言うタンクのランタンは電気のランタン・スタンドに流用したりして活用します。タンクに穴を開け電気のコードを通し、電球のインテリア照明として流用するのです)
ピンホールでガソリンが漏れた時は、本当にガッカリします。その刹那、「失意のズンドコ・・もとい・・どん底」・・・大げさですね・・・。
つづく・・・。