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企画開発の話2(ものさし)

ちょっと専門的?っぽいかもしれませんが、開発の話の2回目は、「ものさし」の話です。

およそ仕事は全部そうかも知れませんが、開発においても正解は一つではない・・・と思います。色々考えた結果、あれとこれはどっちが正しいか?と言われたら、それぞれに正しい・・・のが仕事だと思います。

だから、実際には正解・不正解と言うより、判断する「ものさし」をどう決めるかが重要になってくると思っています。

弊社商品の「カバンの中身」におきましても、カバンの中を整理するグッズと言うテーマだとしたら、正解は相当多数に及ぶと思います。

あるいはポーチ・袋の集合体のような物かもしれませんし、現商品と同様なボード状でも、もっと大きなポケットを意識した設計も正解?かもしれません。

そこで「ものさし」の登場です。

「ものさし」はどんな物でしょうか。
小生の場合、仕事の種類で異なりますが、何れにせよ「考えの拠り所」・・・でしょうか。
これは、開発でさんざん迷い、失敗し、訳がわからなくなる仕事の迷路の中から自然に学び、大事にするようになったのだろうと思っています。

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企画のための「ものさし」

開発に関してはやはり「コンセプト」が重要だと思います。日常的な仕事の中では、本当にしょっちゅう考えがブレますから、コンセプト(概念)を書いて貼っておきます。

「カバンの中身」で言えば『カバンの中の小物を整理し、すぐ取り出せるようにする』・・・と書いておきます。

具体的にやる事を書かないといけないように思います。
カバンの中を便利にする・・・とか結果としての目的だけを書いたら後で大変困ります。便利にするために具体的にやる事・やり方を書いておきませんと、解決策の自由度が高過ぎるのです。

商品の「まとめ」方は、ある意味で開発マンの数だけありますから、こう言う「考え方」が大切な「ものさし」になります。

「カバンの中身」では、カバン自体の内部の仕切りや、多少はしつらえられている、カバンの横幅を3分割したようなラフなポケット類の存在を前提にしました。だから、「カバンの中身」の意味する「小物」は「かなりな小物」だと決めこんで纏めました。「大きめな小物」はカバン自体に始めから付いているポケットに任せましょうと・・・。

こう言うことは本当に大事と思っています。でないと、図面すら固まりません。何度でも修正になります。尺度がないと「まとめ」られないのです。

では、この「ものさし」はどこから出てくるのでしょうか?やはり、お客さんの気持ちから、ユーザーの声から出てくるものが本来は正しいと思っています。

ですが、この事は単純にお客さんの言う通りにする・・・と言う事ではなくて、お客さんの心理をプロとして洞察するような感じだ・・と思っています。

と言いますのは、お客さん自身も不便は感じていても、どういうものが欲しいという具体的なイメージは持っていらっしゃらない事が多いと思うからです。

同じ事を開発マンの行動から言えば「きっとお客さんはこう言うものを求めている」と推察して考える事になります。
つまり主語をお客さんにして考える事が、お客さんのニーズを捉えるためには大切だと思うのです。

結果としてアイデア(企画)は開発マンの汲み取る能力・感性による所が大きいのですが、開発マン側はお客さんを主語にして考える癖・・・を鍛える必要があると思います。

もちろん感性の鋭いお客さんの意見はこれとは別ですし、製品ができてからのお客様の意見は、具体的なイメージに満ちています。本当に聞かなければいけない貴重な意見です。

話が飛びますが、ものさしの話を逆に見ると、ブレる話は、枚挙に暇が無いですね。
良く聞く話では、おばあちゃん向けの商品開発のはずが、途中から、それではダメだ、マルチターゲットだと、デザイン面のみが女子高校生向きの商品に変更されたとか。

時間の掛かる育成商品で、どう見てもチャレンジ課題だったのが、いつの間にか経営の事情で事業計画に組み入れられ、数字を要求されたために開発が「守り」に入り、企画まで平凡になったとか・・・。

ギャグで言うと、いわゆる「コンセプト返し」と言うやつで、企画マン自身が自分の見つけた、「こうすれば便利」と言うコンセプトを否定して、そこまではユーザーには不要などとある日突然言い出したりして・・・。返して良いのは「微笑み」・・くらいにしたいものです・・・。

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何をすべきか?

非連続線上の市場・・・最近の市場をこう分析する方もいます。つまり過去の成功の延長線上に無い・・・予測不可能な、ユーザーでさえ自分で何が欲しいのか意識できない市場だと。

こう言う市場では今日の延長に明日が無いのですから、何をやるかが見えていません。昨日と同じではダメですから。何をやるべきか?から、考えなくてはいけない市場です。

アメリカという先行市場の真似をしていれば良かった時代はもう終わっているのですね。
だから、開発は益々厳しさを増しているのだ?!と思います。
開発マンは頑張り時・・・なんでしょうね。

05-30-05 15:58